魚野川 渋沢  志賀高原

  上信越国境の魚野川には以前から行きたいと思っていた。昔、 岩菅山から秋山郷に縦走したときに熊の足跡、羚羊、イヌワシ(と信じている) を見て以来、自然が残っている間に一度は来ようと考えていた。半月前に群馬 県側の白砂川流域に入ったのと同じく杉山氏の車で野反湖に入った。今回は新 人の山本氏が一緒で三人。

山を下って入渓

最初の
ゴルジュ   土曜日の朝にダム奥のキャンプ場から渋沢の出合いまで下る。 天気はすっきりせず、小雨が降ったりしているが、午後からは晴れる予報。白 砂山に向かう道の途中から切明方面に分岐するが、間違えて東電の作業道に入っ てしまい時間をロスする。
  ネマガリ竹の中の道は良く刈り払ってあるのは良いのだが、傾 むいていて歩き難い。アップダウンしてへつっている道も次第に下るようにな り、ブナ林を行くようになる。キノコが沢山出ていて秋のようだ。タマゴタケ をゲットする。(が結局食べなかった)。   途中、渋沢で迷って結局引き返してきたというおじさんが登っ てきた。大変疲れた様子で、薮を二日間彷ったあげくに沢を下ってきたそうだ。 4時間弱で渋沢ダムに着いた。プレハブ小屋があって泊まれるようだ。ダムに は釣り師が何人かいる。この付近は渓流釣のメッカらしい。
 早速河原から入渓する。すぐに6m滝。水量が多いようで、ロープを 出す。暫くは断続的にゴルジュが続くが、浅いので問題はない。この辺り の山の岩盤は脆いのだろうか、沢床には大量の土砂が堆積している。河原を4 時まで歩いてブナ林の縁に泊り場を決める。天幕はどこにでも張れるし、焚火 をする薪も豊富だ。

静かな河原歩き

二俣
上の渓相   翌日は朝から青空。前日の続きで河原を進む。二俣で右に入る とめっきり水量が少なくなり、両岸が切り立ってくると30m大滝に着く。 「水量も多いから」という意見で巻くことに決定。少し戻って左岸を巻くも、 泥壁で危ない。結局途中からロープを出した上に尾根上まで追い上げられる。 下りも急な笹薮にぶらさがり状態で猿になった気分だ。2時間を費す。結果論 で言えば大滝は直登すべき。
  奥の二俣では右沢に進む。時間が遅いし、山本氏の膝の具合が 良くないこともあって、状況に迫られての撰択ではあるが、左沢より本流らし いということで納得する。5m内外の滑滝が続いて美しい。最後の二俣は左に 入る。傾斜が強くなり5m程度の滝が続く。暫く行くと水が涸れて薮に突入す る。苦しい薮を20分くらいで支尾根上に出るや、いきなり獣臭い匂いがする。 薄くなった薮を獣道を拾いながら20分くらい歩くと堂岩山で白砂山の立派な 登山道に出た。辺鄙な山だと思うのだがハイカーが沢山歩いているのは意外だっ た。
8/22(土) 9:00 野反湖ダム − 12:00 渋沢ダム − 16:00 泊
8/23(日) 10:00 二俣 − 12:00 大滝上 − 13:30 奥の二俣 − 15:30堂岩山 − 17:00 野反湖ダム

山深い谷 奥の二俣、
右沢

  魚野川流域はブナ林が広がっていること、稜線には登山道が少ないこ とから、山深い感じがする地域だ。それでも秘かに東電が電源開発を進めてお り、訪れてみたい人は急いだほうが良いかもしれない。バスの便が良くないの で自家用車でアプローチすることになるが、この点で渋沢は入山口と下山口が 同じになるので取り付き易い。沢は技術的に難しくはないが、安全地帯まで遠 いし、ツメは背丈を越える笹薮で周りが見えないので注意して欲しい。ダム周 辺は白砂川と同様、釣り師の痕跡が多いのだが、渋沢には釣り師は入っていな いようだ。魚がいないのだろうか。また、虻関係は居ないがダニは多い。


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