越後駒ヶ岳 水無川 北沢

 今年は6月に年間山行予定を立てた。山に対するモティベーションが下がってきて、山行回数が減っている。このために、ますますチャレンジングな山行が組めなくなって山行が減る、という悪循環に陥いっているようだった。
 それはそれで良いとも思えたのだが、まだ心に引掛っているルートも多い。そんなわけで自分を鼓舞しようという訳である。最初の月は、初っ端なら目標未達であったが、取り敢えず谷川には行った。2月目の7月は北沢であったが、幸い二人の希望者がいた。秋のほうが良いかな、という気もしていたのだったが、登攀系のメンバが三人揃ったことだし、もう行くしかない。先人の記録を参考に、雪渓が悪い可能性も考えて、2泊3日の予定を立てたが、1泊2日しか掛からなかった。

日程

    メンバ: 金子、小森、小川
    7/19 10:30 新三郷出発
    7/20 01:00 越後三山公園(車寝)
         07:20 越後三山公園出発
         18:00 左俣出合滝上薮(泊)
    7/21 09:00 駒ヶ岳山頂
         13:30 越後三山公園

報告

7/19 10:30 新三郷出発
7/20 07:20 越後三山公園出発

 木曜日の晩に待ち合わせて車一台の予定であったが、小川氏が間に合わなくて車を別途出した。なんとか連絡が付いて、高速の途中でパーキングに車を一台置いて合流できた。そんなこんなで、越後三山公園には夜遅く着いて、そのまま車で寝る。私は走行中寝ていたのだが、二人は交代で運転していて寝不足と思われたので、翌朝はゆっくり起きた。
 川の水はやや白く濁り、林道には多数の土砂堆積があった。砂防ダムのところで地元のオヤジが川の状況を観察していた。前日までの毎日、午後に雷雨があり、特に前日のが今年一番の激しさだったとのことだ。天気予報では、今日から大気が安定するはずであったのだが、若干不安が頭をよぎる。

08:30 デトノアイソメ

 林道は随分先まで続いている。1997年冬にマキグラノツルネに来たときは、すぐ先で切れていたように記憶している。モチガハナ沢出合は巨大な雪橋になっており、40mくらいトンネルが掘られている。随分先の最終堰堤手前から右岸踏跡に入る。草が濡れていて靴がビショビショになってしまう。デトノアイソメは大雪原になっており、ここで遡行の準備をする。左右の沢から押し出されたデブリは高く堆積しており、先が見通せない。右から沢を迎えると雪渓は切れる。雪渓上にヌメヌメの泥が被っており、前日の出水の凄さが想像された。
しばらくは美しい河原が続き、水量も多くはないようだ。
 暗峡は背が立ちそうだったが、どん詰りに雪橋も有り、巻く。

09:30 御月山沢出合
11:00 関門ノ滝上

 御月山沢出合のゴルジュは入口から雪渓に覆われている。30mくらいの高さで口を開けて冷気を噴き出している。左岸のルンゼから2Pくらい巻いて下を眺めると、雪渓は安定して続いているようだったので、懸垂下降する。デトノアイソメもそうであったが、枝沢の出合いはデブリの山で見通しが効かない。  雪渓は一箇所だけ切れていたが、デブリの堆積を上ったり下ったりしてしばし進むと、大きな滝が雪渓に落ち込んでいるのが前方に見える。関門の滝だ。  しかし殆ど埋まっていて、出ているのは半分くらいか。ここでも雪渓上を濁流が流れた後がまだ乾いていないのは不気味だ。
 雪渓からシュルントの中に5mほど懸垂下降して取り付く。時折、滝の中で大きな音がこだましてビビる。雪渓が落ちているのだろうか。
 滝の上はスラブの連瀑になっていて、全てロープを出す。残置はあまりない。 最後の釜を持ったのだけあと一歩で登れず、左岸を巻いて木から斜め懸垂する。大滝が見えたので、ちょっと休む。

14:00 大滝弊ノ滝下二股

 すぐに二俣で、手前に高い雪橋があり、前方に大滝、弊ノ滝が大きく見える。  大滝は登るのに息が切れるほど長い。この上はまた連瀑になっていて、やはり最後のが直登できなくて、左岸を巻きにかかる。草が生えているバンドらしきものを行けるかとも思ったが駄目で、結局上の林に突入する。1P進むと下に雪渓が見え、10mくらいの懸垂下降をする。ここは二俣で、本流の右俣に、左俣が側壁から流入しているような感じに見える。

16:00 左俣出合雪渓
18:00 左俣出合滝上薮(泊)

 沢が右に曲っているので、一見すると左岸に巻きたい感じであるが、ガイドに従って右岸低木薮リッジに突入する。うっすらと踏跡がある。最上部で1P ロープを出し、尾根上に出る。しばらくこの尾根を歩く。時間が遅くなってきたので、そろそろ泊り場を探さなくてはならない。尾根上は寝るには快適だが、水を汲んでいなかった。右に薮尾根が分岐するジャンクションから眺めると、遥か下には雪渓が見える。尾根の末端は比較的なだらかに見え、泊まれるだろうと見込んで下降。雪渓から30mくらい上の小平地を見つけて、ここで寝ることとし、水を汲みに下りた。最後は10mほど懸垂下降したが、歩いても下りられた。場所は三人にはいささか狭かった。

7/21 05:30 出発
07:30 大雪田

 20m程度の厚さがある安定した雪渓を進む。途中、一箇所雪渓が割れて小滝が出ていた以外はひたすら歩く。ヘリコプターが飛んでいて、ときどき近付いてくる。先週に行方不明になったという登山者を探しているのだろう。
 奥の二股で雪渓が終っている。ここも地形的に右が本流らしく見えるが、ガイド通り左から急傾斜で流入するほうに進む。更に左に入り、滝を一つ巻くとゆるやかな流れになる。どん詰りに雪橋があり、こんどは右に滝を登ると水源と覚しき大雪田に出た。

09:00 駒ヶ岳山頂

 雪田上で、三人三様適当にルートを取ってしまったら、合流が面倒になり、そのまま薮に突入する。二人は極楽尾根上に出たらしく、私は主脈の中ノ岳寄りに出た。山頂は4回目であったが、何時来ても良いところだ。八海山が大きく見える。登山者は沢山いた。

13:30 越後三山公園

 極楽尾根を下降した。名前とは裏腹にかったるい尾根で、一気に水無川に落 ち込んでいる。天気も良く暑い。やっとの思いで下り切った後、堰堤のダム湖で水泳をした。

(金子記)

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