2003年度の様々な山行報告

谷川岳 烏帽子奥壁 中央カンテ

6月13日 金子代表と一の倉に行って来ました。

12日、最終で水上へ。 タクシーで一の倉出合まで行き、テント泊。シュラフカ
バーだけでは寒くて寝れなかった。

13日、4時半起床。朝食はとったものの、天気は回復せずもう1時間寝ることにし
た。私は寒いのでストレッチして体を動かしていた。
 
 6時過ぎ、取り敢えず取り付きまで行くことにした。前回同様テールリッジの辺り
で一カ所、危険を感じてロープを出してもらった。金子さんの後ばかりついていて、
足下しか見えていない。自分でルート取りをしていないので易しいルートがあるのに
難しい所を通ってしまう。
  
 南陵にするか?何処にするか? 金子さんは大分考えていたが、予定通り中央カン
テに取り付いた。下に私が一人なので金子さんは不安だそうだ。
 
 1ピッチ目、金子さんがトラバースする様子を見ていたはずなのだが、いざ登り始
めてみると『 ドキッ!!』  行けるかしら???? 不安がよぎった。何とか、
2つ目のビレーポイントを通過すると気持ちが落ち着いた。岩が濡れているの
で神経は使った。
 
 2ピッチ目、ビレー解除してからなかなかロープが引き上げられなかった。先行
パーティを待っていたそうだ。しばらくして合図が聞こえたので登ろうと思ったが、
まだロープが弛んだままだ。
ロープが張るのを待って登ったつもりだったが、後で、「早すぎる。」と言われた。
待っていたつもりだが、ちょっと弛んでいたかもしれない?せっかちな気性が現
れている。
 
 3ピッチ目、風が出始め寒くなってきた。雨具を着たが濡れたジャージのパンツは
空冷状態。指先の感覚がなくなり始めた。岩をつかむ指が痛い。『バンドを左上し急
なカンテを直上』と、ルート図に書いてあるところかな?  一番面白かった。

 ここで風が強くなってきたので中止決定。 ちょっと残念。 でも、十分満足しま
した。

 テントに戻ってから、横の岩場でアブミの練習。足の巻き込み方を教えても
らった。足を巻き込んだとき左の膝が痛くて、うまくいかなかった。
 ハーケンの打ち方も見ていた。ハーケンの抜き方は覚えなければ・・・ でもハン
マーが重かった。

下りてくると天気は回復するもので、電車の中からは谷川岳がよく見えた。
(片倉記)

丹沢 谷太郎川・鳥屋待沢 右俣

 L.山中、片倉
煤ヶ谷バス停8:20−−出合8:40−−入渓9:15−−10m大滝の下10:10−−二俣11:20−−大山三峰山・南峰14:15−−分岐15:10−−煤ヶ谷バス停16:10

 バス停から20分で鳥屋待沢出合。先に犬を連れた男2女1のパーティが地図を見ていた。沢沿いの林道に入り、堰堤の手前で左岸に渡った。踏み跡は次第に細くなり草の間を抜けて、土砂でほとんど埋まりかかった堰堤の上に出た。「さあ、ここで準備を」と思って足下を見ると、ギョギョッ! 蛭がうじゃうじゃ。草むらを5分も歩かないうちに靴下やスニーカーの中まで10匹以上の蛭がついていた。ひとしきり蛭取りに専念。あー、今日は先が思いやられる。虫除けスプレーに虫除けパッド、準備は万全と思っていたけど、蛭のことは忘れていた。先週モロクボ沢に入った中島パパたちは蛭のこと何にも言ってなかったけど・・・
 準備をしていると、バスで一緒だった10人ほどのグループがやってきた。ハイカーだと思っていたのだが・・・ それともこの沢、易しいのかしら?
 犬の3人パーティの後から沢に入った。10分程、彼らの後ろを歩いていたが、途中で追い越した。今朝まで雨が降っていたようで水量が多いが水は温いくらいだ。沢が90°に左に曲がったところに3段7mの滝、その先に10mの大滝があった。初心者以外はビレーの必要はないと書いてあったが、水量も多いことだしとここはあっさり諦め巻くことに決めて一回目の休憩をした。
 左岸から巻いて滝の上に下りた。水をたっぷり含んだ土は崩れやすかったが、まだこの辺りは楽に巻くことが出来た。犬のパーティは大滝の左壁を直登してきた。犬も草付きを利用して上手く登って来た。思ったより簡単だったのかも・・・
 この先がハイライトのゴルジュ帯で、滝が連続して楽しかった。ゴルジュの出口の滝は淵が深く、左岸から1mほどの高さをへつって滝の落ち口にたどり着けばいいのだが・・・ 山中さんはしばらく粘っていたが落ち口が悪いそうで、諦めて戻った。滝に向かって淵を泳ぐ自信もないので高巻くことにした。少し戻って滝のように水がしたたり落ちる斜面のすぐ脇から巻くことにした。この高巻きは苦労した。急斜面はグズグズで足を泥の中に埋め込むように突っ込んでも崩れていく。とにかく強引に足を動かして登った。下でザザッと音がした。山中さんが2mほどズリ落ちて、止まった。良かった。緊張した。ふと、「こんなところ、あの団体さんたち入ってくるのかしら」と気になった。やっと巻き終わるとまもなく二俣に着いた。
 二俣には小さなケルンが積んであった。二俣という感じではなく右俣は滝で、その奥にも滝が見えた。左俣は幅が広いがほとんど水が無かった。2回目の休憩。ここまでいいペースだった。犬パーティはまだ来ない。
 右俣へは右岸から滝を2つ巻いて入った。再びゴルジュ帯になり滝が続いて楽しかった。本流をずっと辿っていくと、やがてチョクストーンの滝の辺りから水がなくなってきた。苔むした涸れ滝が続き脇の岩は極端に脆くなりホールドに気を遣った。山中さんは大分肩が痛くなってきたようで、左手が思うように使えずバランスを取るのに苦労していた。最後の滝を越えると上はますます急なガレ場になっていた。左右はそのままゴルジュ状で、横には逃げられず登るしかなかった。ガラガラと岩を落としながら、とにかく登った。上の方が明るくなってきたと思ったら、最後は3mほどの壁になっていた。足下はザクザクで周りは不安定な物だらけ、とてもビレー出来そうな物はない。正面の壁は脆そうだし、落ちたら岩を巻き込んで涸れ滝上を何処までも落ちていきそうだった。とにかくじっとはしていられないので左に寄り体を安定させた。手を伸ばすと頭の上の木にやっと届いた。根から揺れていて心許ない木だったが、これに掴まってよじ登るしかなさそうだ。木にシュリンゲをかけ足場を作りよじ登った。上にあるもう一本のしっかりした木を掴んだときにはホッとした。やっと尾根に這い上がったとたん今度はブヨの襲来だ。顔の周りにまとわりついてきた。すぐに、ありったけのシュリンゲを繋いでビレーを取り、下におろした。山中さんは痛めている左にシュリンゲを巻き付けてゴボウで上がってきた。這い上がったところは狭い支尾根で反対側もすぐに切れ落ちていた。汗がしたたる顔にブヨがわんわん集まってきた。虫除けスプレーも何のその。早くここから逃げたかった。ここから稜線まではすぐで、直接大山三峰山南峰に突き上げてた。ガイドブックによると頂上の右手に出てくるはずなのだが・・・
 本流を辿ってきたつもりだったが、何処かで間違ったのだろうか?
 二俣から2時間半、予定より大幅に時間がかかった。頂上で沢靴を脱ぐとまた蛭が出てきた。山中さんのズボンは血だらけで、たっぷり血を吸った蛭がぽろりと落ちた。スパッツを履いている分、私の被害は少なかった。下の方で犬のほえ声が聞こえた。彼らも多分同じルートを登ってくるのだろう。
 下りは煤ヶ谷に戻った。広沢寺の方が近かったがお陰でバスに座れた。次の停留所から、今朝の団体さんが乗ってきた。彼らは大滝まで滝見に行ったそうで、納得した。
 帰ってから2種類のガイドブックを見てみた。どちらも本流を辿れと書いてあるが、稜線に出るところは違っていた。山渓のアルペンガイド丹沢に書いてあるルートを登ったようだ。ただ、もっと手前で、上部がガレてきた時点で早く左から支尾根に入れば良かったようだ。参考にした本では本流を詰めてガレからそのまま直登して尾根に入ると書いてあったのでどん詰まりまで行ってしまった。とにかく、上部の崩壊はひどくて本とはかなり違っていた。だから沢は面白いのかもしれない。

(片倉記)

御殿場口から富士山往復     2004.7.11

 L.落合、片倉

7月10日 御殿場駅18:00集合。落合車で御殿場五合目へ。途中コンビニで夕食用に冷凍鍋うどんを買った。
            駐車場にテントを張り、うどんとビールの夕食後8時頃から仮眠。
            12時少し前に起き、テント撤収。
7月11日
 0:10 歩き始めた。満天に星空、黒い火山岩の細かい砂利道をひたすら歩く。
 1:15 四駆が一台置いてあるところで、一回目の休憩。
 2:13  3人の下山者に出会った。6合目付近で強風のため断念したそうだ。
 3:05 西の方の空で雷が鳴っている。天気が気になる。ガスも出てきた。
 3:45 6合目 風はさほど強くない。
 4:00 晴れてきた。天気は何とか持ちそうだ。
 4:27 7合目 芦ノ湖方面から日が昇った。
 5:21 赤岩8合目 後一時間半と聞いて休まず歩いたが、とてもきつくて足が上がらなくなってきた。
 5:50 本当にしんどい。下山者によく登ってきたと呆れられた。
 6:50 頂上 疲れた。さすがに頂上は寒い。ガスっていて景色は見えない。 
            小屋でスープとお汁粉を食べ、暖まって少し元気になった。
            晴れてきたのでお鉢巡りをすることにした。去年通った白山岳への登山道は見あたらなくなっていた。
 8:20 下山開始 
 8:45 休憩 一昨年テントを張った廃屋の前で休憩。暑くなって雨具を脱いだ。
            砂走りになってからは快調に下山。落合さんと競争するように走って降りた。
      しかし傾斜が緩くなって黒い砂利になると地面が固くなり、膝の負担が増した。
            駐車場は見えるのになかなか距離が縮まらない。次第にうんざり。
10:10 下山。
      夜中に登りなんにも見えないから良かったけれど、こんな長い上りは昼間はとても登れないと思った。 
            下山の砂走りは楽だったけれども、、もう2度と御殿場からは登りたくない
      御殿場口から眺めた富士山は遠かった。 
(片倉記)

御神楽岳(栄太郎新道から)

 メンバー L.岡、片倉、他1名

 御神楽岳、百名山ブームの今 この名山とも言うべき山は知名度が少し低い。あの山かと言える岳人は山にかなりのめり込んでいる人である。新潟県にあるが一口に言えば西会津に近い新潟県と言ったらいいのだろうか。
 実は私たちも南ア光岳の予定が天候が悪く、晴れている地方は新潟のみというので、いきなり御神楽岳に決まったのである。それも前日という慌ただしい計画だった。
 前夜、磐越道・新鶴PAで仮眠して津川インターで下り、広谷川林道の終点に着く。天気は晴れ。数台の車があった。
 6:10出発。出発してすぐに分かったが、ガイドブックの地図の記述が間違っていた。林道終点とマップに書いてある位置はずっと手前なのである。平坦な道が続いているが、あまり良くない。小沢を2つ3つ渡るがツルツルのスラブで滑りやすい。トラロープが付いていても、滑って下の滝壺に落ちそうである。湯沢出合に着くと目の前にはガイドブック通り峻険な岩が連なり「下越の谷川岳」その物である。思わず「お!凄い。」と口に出る。ここから尾根に取り付くがフィックスロープや鎖が出てきた。稜線に出るとやせた岩稜になる。右も左も切れ落ちていて眺めは素晴らしい。やっと高頭(こうつむり)に着く。蒸し暑くて水の量がどんどん減っていく。湯沢の頭までは樹林があるので少しは涼しいが、さらに頂上までは直射日光に当たりながら登るのである。正直言って、「まだこんなに登るの!」という思いである。ザックは特別に軽くしてきたのだが、行程は予想以上に長い。やっと12時少し前に御神楽岳山頂に着く。十数人の先客がいて頂上は満員である。大部分は室谷からの登山者である。頂上からの眺めは素晴らしい。遠く飯豊山も見えた。足下には東面の岩場が広がっていて、ゆっくり休んだ。
 夕立が来ないうちに下りようということで、暑い登山道を戻る。道が悪いのであまり時間が稼げない。それでも大汗をかきながらやせ尾根、くさり場、腹すり岩と過ぎて湯沢出合に着いた頃、ポツリポツリと雨が落ちてきた。カッパをザックの上から被せて駐車場へ急いだ。そして今夜はテントではなく温泉旅館の客となった。

タイム:林道終点、駐車場出発8:10・・湯沢出合7:20−30・・高頭9:20−30・・御神楽岳11:50−12:10・・湯沢出合15:10−20・・駐車場16:20着
天候:晴れ 後 夕方小雨

岡 記


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