2006年度の山行報告 2

夏合宿・双六谷    2007年8月12日〜15日

 直前に五十嵐君が、肩を痛め参加出来なくなり、メンバーは、落合、中嶋、竹花、片倉の4名になりました。
 11日19時日暮里駅集合、落合号で出発。
 昼間の渋滞とは打って変わって、首都高、中央道ともスムーズに流れ、12時には新穂高のターミナルに着き、計画書を投函。来た道を少し戻り奥飛騨温泉郷上宝の道の駅で仮眠。
 12日6時道の駅発。双六ダム上流の林道第二ゲートまで入ることが出来た。
 すでに数台の車が駐車してあった。
 下を流れる川の水量は、前回と比べ物にならないくらい少ないようだ。川底の花崗岩に映るエメラルドグリーンの水の色がとてもきれいだ。
 二時間ほどで小倉谷出合の河原着。水量が少ないのでここから遡行出来そうだったので身支度して入渓するが、すぐに手強いゴルジュが出てきて、行き詰まってしまった。先行パーティーは泳いで越えたようだが、我々には無理そうだったので右岸を巻けないかと渡渉を試みたところ私が流されかけたのでここは、大人しく林道を辿ることにした。もともとはトロッコの軌道だったという道だが、いまでは途中に数箇所フィックスが張ってある、危なっかしい道だ。さらに2時間ほどかけてつり橋のある林道終点の河原に下り立つ事が出来た。
 今月に入ってから多分、あまり雨も降っていないと思われるので水量は少ない方と思われるが、流れが速く渡渉するのにロープを出したり、シュリンゲを出したりの連続だった。
 打込谷出合を6−70メートル過ぎた左岸で休憩。休憩場所の脇が小高く平らなビバーク適地二時も過ぎたのでここにテントを張る事にした。我々がテントを張り終えた頃、先の小倉谷出合か入渓した若い男女三人組(以後、『三人組』と呼ぶ)が、我々より少し手前の右岸の河原にテントを張った。なかなか力のあるパーティーのようだ。途中で我々を抜いていった若い男4人組(以後、『四人組』と呼ぶ)は、さらに先に行ったようだ。
 19時過ぎ就寝。
13日快晴 5時20分起床  6時40分出発
 本日がこの山行の核心になる。
 直径1メートル位の岩がゴロゴロしているゴーロ歩き、さらに大きい数メートル大の岩の乗越しや、高巻き、渡渉などで全身を使った遡行が続きなかなか疲れるが、振り仰ぐ真っ青な空の色が気持ちを疲れを和らげてくれる。
 3時間ほどでセンズ谷の出合にでた。奥の上部に見事な滝が落ちているのが見えた。ここからは、今までとは打って変わって穏やかな河原歩きになった。河原の途中で『四人組』が釣りをしながら休憩していた。昨日から5,6匹釣ったそうで彼らもかなり沢慣れしているようだ。彼らのちょっと先で休憩していると、新たな四人パーティーが追いついてきた。見ると、曽山代表をはじめとする東京緑山岳会のパーティーだった。少し言葉を交わした後、彼らは先行して行った。
 河原歩きが終わり、再び元の渓相に戻って暫く辿ると、先に行った緑のパーティーがロープを出していた。そこは深い釜を持った、小さな滝のようになっているところだった。トップで渡った人が他のメンバーをロープで引っ張っていた。最後に曽山代表が渡り、後ろの我々を気遣わしげに振り向いていたがそのまま先を行った。
 ほんの4,5メートルなのだが始めにパパ、次に私と飛び込んでみたが流れに押し流されダメで、壁のトラバースを試みるが、あと一歩が踏み出せず・・・。どこか高巻こうかと考えていたところ『四人組』やってきた。すると一人がロープを付けて、迷うことなく無造作に飛び込みほんの二漕ぎ渡り切ってしまった。力の差を見せ付けられた。そこで、恥を忍んで、最後の人に我々のロープを引いてもらい。なんとかそこを越えることが出来た。我々全員が渡りきる頃、『三人組』がやってきた。するとリーダーの男性が私がさっき出来なかったトラバースをいとも簡単にこなしてきた。(われながら情けない・・・)
 少し進んだところで休憩していたら、『三人組』が抜いて行った。さらに進んだところで『三人組』の男性が岩の上に乗って女性二人をお助け紐で登らせていた。釜のふちをへつりながら岩に取り付くのだが上部にホールドが無い、男性がシュリンゲを出してくれたので、思わず掴んで登らせてもらった。ここがいわゆる『キンチヂミ』という所らしい。
 そのあとも相変らずのゴーロと渡渉が続くが特に難しくは無く、13時半ごろ蓮華谷の出合に着いた。ここにも焚き火痕のある高台がよいビバーク適地になっていたので、時間は早いが予定通りここで本日の行動終了とする。蓮華谷を約100メートル入ったところに緑パーティーがタープを張っていた。焚き火をしながら酒盛りをしていると曽山さんが釣竿を下げて降りてきて、出合付近釣り糸を垂れた。さらに下流に場所を変えたようで2時間ほどして戻ってきたときには、25cmほどもある岩魚2匹を腰のカラビナにぶら下げて、うれしそうな顔で戻っていった。かっこいいなあ。
 昨日と同じ頃、就寝。
14日 快晴 5時15分起床 6時40分出発
 今日は、本谷を双六小屋まで詰める。
 距離は長いが、たいした悪場もなく、ハイキング気分で行けるはず・・・。
 これまでと同じ、巨岩の乗越しと渡渉の連続。
 そして、この双六谷の中で唯一名前のついた滝、「六千尺の滝」に着いた。ここを、パパがショルダーで越え、皆をシュリンゲで引っ張り上げた。
 少しづつ傾斜が強くなりかけたところで、思いかけず大きな雪渓にぶつかった。右側から雪渓上に乗ると上から単独のひとが降りてきた。ここには何度も来たが、こんなところで雪渓が残っているのは初めてだと言っていた。
 かなり上部まで水の流れがあったが、双六本峰へ突き上げる沢との二股を過ぎ、暫くす
るといきなり水がなくなった。あとはひたすら沢沿いに登るだけ。カンカン照りの中、ヘロヘロになって、キャンプ場に着いたのが、14時半。皆と握手を交わた。「ありがとう、おつかれさまでした!」
 キャンプ場は、当然ながらこれまでとは打って変わって大賑わい。例の『三人組』も、既に到着していて、小屋の前のベンチで寛いでいた。
 双六岳登頂は明日にして、周りはまだ起きていたが、この日も早くに就寝。
15日 この日も雲ひとつ無い快晴 4時40分起床
 朝飯前に双六岳を往復する。 約1時間半
 テントに戻り朝食。8時キャンプ場出発。
 弓折岳への登りかえしから、あとは一気に下るだけ。だが、強い日差しでとにかく暑い。途中の鏡平小屋でカキ氷を食べたり、その更に下の雪解け水の流れる沢で水を浴びなが
らして、新穂高のバスターミナルに着いたのは、13時半。
 下山報告し、車のピップアップの為にタクシーを呼んだ。
 無事、デポしてあった私の車を回収し、途中平湯のバスターミナルで温泉に入り、松本へ戻る店で、蕎麦を食べたら、時間が押したので途中渋滞が予想されたので、家の遠い竹花さんとは松本駅でお別れした。 が、予想に反して往路と同様全く渋滞なく快調に飛ばして竹花さんと別れて二時間半で新宿に着いてしまった。パパと片倉さんと新宿でお別れし、30分後には三郷の自宅に着きました。
 事前に調べた記録では、それほど困難な筈はないと甘く見ていました。結局、核心部では他のパーティーの世話になる羽目になってしまいました。ガイドブックに書いてあった通り、沢の総合力を試される場所、と言うのは嘘では無かったです。 う〜ん、まだまだですね。
 それでも、今回、双六谷リベンジを果たせたのは参加したメンバー皆のおかげであることは、間違いありません。
 本当に有難うございました。      
                                               落合 記